例えば、これまで通常の現物不動産売買の媒介等を行う場合は、宅地建物取引業の許可(いわゆる宅建業許可)だけで足りていました。
しかし、物件が高額になるにつれ(今後は数億円規模クラスの物件でも信託受益権化がなされうるだろうといわれております)、現物不動産を信託受益権化する傾向が出てきております。
特に、不動産ファンドに組み入れられている物件の多くは信託受益権化されているのが実態となっています。
信託受益権とはいかなるものかにつきまして、
まず、不動産の所有者は信託銀行に自己の不動産を信託設定をします。信託銀行に自己の不動産の管理・処分を委ねることで、所有者はこれまでの物件管理などの負担がなくなります。不動産所有権は信託銀行に移転することになります。そして、代わりに、元々の所有者はその「不動産が生み出す収益を得る権利」を持つことになりまして、この権利を「不動産信託受益権」といったりします(不動産信託受益権 スキーム図参照)。この信託受益権をSPC等に譲渡して証券化することになります。証券化のメリットとしては節税があったります。
この受益権の譲渡を行なう際、例えば、かかる受益権を仲介者として取り扱う場合は、これまでの宅建業の許可だけではNGとなり、「第2種金融商品取引業の登録」が別途求められることになることには十分なご留意が必要です。
信託受益権は金融商品取引法によれば「有価証券」とみなされているからとなります(金融商品取引法2条2項)。
最近において、「証券化された不動産物件を扱おうとしたら、おたくは第2種金融商品取引業の登録をしていないからだめです」と言われ、当職にご相談に来た不動産業者さまが多々いらっしゃいます。
受益権化された物件は高額物件が多いため、決まれば仲介フィーもまた高額ですので、速やかに第2種金融商品取引業の登録のサポートをさせていただき、無事登録を終えました。
この第2種金融商品取引業の登録を行なうためには、入念な準備が必要となっております。
不動産業者の方にとってはひとつのビジネスチャンスとも思われます。
お気になることあればお気軽にご相談くださいませ。