投資助言業の登録後につきまして、皆様のお察しのとおり、
証券取引等監視委員会による検査がございます。
原則として、いきなりやってきまして、あたかもレントゲンをとるかのように、事実状態をあらゆる角度から検証していき、法令違反がないか確かめていきます。
そして、検査の際、一般的に提示を求められるであろう資料を以下挙げてみます。
【一般資料】
・会社沿革
・会社案内
・組織図(各部門の業務内容・人員を含む)
・配席図
・役員の状況(名簿、管掌、兼職等)
・会社登記簿謄本
・定款・組織規程・業務分掌規程
・各種社内規程集
・経営計画(経営上の課題と対応状況を含む)
・コンプライアンスマニュアル/業務マニュアル
【会議録資料】
・会議、委員会資料一覧
・社内稟議書
・取締役会資料・議事録
・役員会資料・議事録
・監査役会資料・議事録
【法定帳簿等】
・法定帳簿一覧表
・助言記録簿
・法定書面
・顧客台帳
・会員区分別顧客一覧
・日計表
・投資顧問料の長期未収明細
・大口顧客取引状況
【内部管理関係】
・クーリングオフ・契約解除の適用状況一覧
・事故関係
・訴訟関係
・過誤訂正処理関係
・事務処理ミス関係
・苦情処理関係
・内部監査関係
・外部監査関係
・役職員一覧
・退職者・出向者
【財産経理関係】
・事業報告書
・決算状況表
・今期の概況
・税務申告書
・経理関係補助簿
(※上記は証券取引等監視委員会HPより抜粋)
投資助言業と言えども、資料としてはそれなりの量になると思われます。
では、検査はいかなる点に基づいて行なわれるかにつきましては
金融商品取引業者等検査マニュアルが非常に参考になります。
態勢編と業務編に分かれておりまして、
態勢編では(主なもの)
・経営管理態勢
・法令等遵守態勢
・内部管理態勢
・監査態勢
・危機管理態勢
業務編では(主なもの)
・内部管理(特には法令上の手続き、事務処理の適切性)
・顧客情報の管理
・本人確認等
・反社会的勢力への対応
・勧誘状況、取引実態の把握、禁止行為等
上記の各項目にもそれぞれ細かい視点があり、
上記に対応する社内規則を策定する必要がございます。
とはいっても、1人で行なっている法人様から大規模に展開している法人様まで多様ですからそこは会社の実情に合わせた態勢を整えれば大丈夫でございます。
変に高額なシステムを導入しなければならないわけでもありません。基本はシンプルな発想が大切です。
わたくしのほうでも、各種社内規則の策定につきサポートさせて頂いておりまして、事案により、金融機関等でのコンプライアンス担当経験の行政書士の先生、弁護士の先生等と連動しながら動いております次第です。
また、行政処分の動向をウォッチすることも非常に重要でして
こちらも、
金融商品取引業者等に対する検査における主な指摘事項が非常に参考になります。
行政処分事例を分析することによってリアルに自社がなすべきことが見えてくると思われます。